沖縄での名前ゴーヤーがもっとも一般的な呼び名でしょうか。和名としてはニガウリまたはツルレイシと称されます。
原産地はアフリカらしいですが、古くからアジアで栽培が広がり、インドより東のアジア各地でよく食べられています。
日本では、沖縄のゴーヤーチャンプルーの料理とともにいつのころからか食卓に上り、ここ山形でも家庭菜園や朝顔に代わって陽よけ用に軒下のプランターにも植えられるようになりました。
調べてみると、1993年まではウリ類につく害虫の拡散を防ぐため、沖縄からの持ち出しが禁止されていて、その根絶に成功し沖縄県外へも出荷することができるようになったということです。私たちも食べるようになったのはそのころからということでしょうか。
なんといってもあの苦味が特徴ですし、それが魅力です。ウチではチャンプルー風の炒め物のほか、苦味が際立つお浸しにして食べることも多いです。
薄く切ったニガウリをさっと熱湯に通し、だしと好みの塩味の調味料(塩やしょうゆなど)の汁に浸し食べる前まで冷蔵庫に。鰹節やゴマをのせて食卓へ。
この苦味ですから、その栄養や薬効については各地域で古くからさまざま紹介されています。プラス面もマイナス面もあるようです。中でもビタミンCは、ニガウリ1本でレモン2個分。それも加熱しても壊れにくいという特徴があるとか。
今回のニガウリ料理は、初めてのレシピを参考にして作ってみました。さっぱりとして、苦味もそう損なわれないのではないかと予想して選びました。
《ニガウリの鶏ひき肉と豆腐詰めの蒸し物》
ニガウリに豚や鶏のひき肉を詰めて調理する料理は、アジア各地にあって一般的な印象。スープ仕立てにしたものが多いですが、今回のは中華風に蒸し料理。
ニガウリ
鶏むね肉または鶏ひき肉
豆腐
塩、片栗粉
フードプロセッサーで作りました。鶏むね肉をフードプロセッサーにかけ、ある程度細かくします。
水切りをした豆腐、塩、片栗粉を加えてフードプロセッサーを回し混ぜます。固めならお酒を加え少しゆるめに。
鶏ひき肉を使うときは、材料を手で粘りが出るようよく混ぜます。
中に詰めやすい長さにニガウリを切って、種とワタをくり抜きます。ニガウリの中に詰め、蒸します。15分前後。
適当な厚さに切って食卓へ。冷たくしてもおいしかった。あっさりしているので、調味にいろいろ変化をつけてみてもいいと思います。
今回は塩が少なめだったので、餃子のタレ風にラー油と酢としょうゆでいただきました。想像通り、炒めるよりも苦味の強い料理になりました。
もう、みなさん気づいてほしい。アレやコレやいろいろとおかしいんじゃないかと。
ここでは「食」のことを。これまでの農業が壊されはじめています。
日本の主要メディアでは伝えられていないかもしれませんが、いま、オランダを皮切りに特にヨーロッパの農家が大規模な抗議行動を行なっています。きっかけはオランダで畜産の大幅な削減計画が提示されたことでした。その理由は、牛のゲップや排泄物が地球にとっての温室効果を持つから、牛を飼うな、ということです。一般市民も農家を守ろうと行動しはじめています。
オランダの農家デモ・ストライキ https://oranda.jp/info/news/farmers-protest/
豚や鶏も制限され、今後それは世界中に広がるでしょう。すでに「代替肉」となるコオロギなど昆虫食の大規模工場が次々に建てられています。
農作物についてもです。日本の農水省は「みどりの食料システム戦略」というものを打ち出し、この7月1日に「みどりの食料システム法」を施行しました。
農水省「みどりの食料システム戦略」 https://www.maff.go.jp/j/kanbo/kankyo/seisaku/midori/
「持続可能な食料システムの構築」のいろいろはこのページで見てもらうとして、説明会で内容を聞いた農家の人たちは突然のことでビックリしています。ひとことでいうと「もう農業は続けられない」ということ。すでに化学肥料などは一気に約2倍の価格になりましたが、化学肥料、化学農薬類は減らさなければなりません。現在の有機栽培の実状からすると、化学肥料、化学農薬なしには需要に見合う収量は見込めず、価格も高額なものとなるでしょう。日本の多くの農家は小規模で高齢化も進んでいますから、いまの農業は続けられなくなるでしょう。それでなくても、食料自給率が低いのに。そして、大資本によって農地が買い集められ、大規模な農業に転換されていくでしょう。化学肥料、化学農薬は使わない、でも、遺伝子操作によって造られた作物の種子や肥料や農薬を使った「みどりの食料」を手にするために。
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