コゴミ 〈105号 #43〉

コゴミ

 春の山菜のひとつ、コゴミです。
 いまでこそ食べる量は減りましたが、小さいころからワラビと並んでよく食卓に上った山菜です。個人的にはもっとも山菜らしいと感じる山菜。よく遊びに出かけた裏の山や森や林に自生する、シダですからね。
 シダ(羊歯)はあの佇まいが好きで、渦を巻いた若い芽も、羊歯に例えたあの葉も惹かれるものがあります。植物の中でも、種子で繁殖するのではなく、胞子で繁殖するところもちょっと怪しげでいいですし、化石になっていたり、恐竜のイラストや熱帯のジャングルに自生する大きなシダ植物も、理科好きのわたしには好ましい対象です。

 シダ類でよく食べられてきたものに、ワラビ、ゼンマイそしてコゴミがあります。中でも、アクがなくさっと茹でただけで食べられるのはコゴミだけです。コゴミは若芽でたべものとしての名、植物としてはクサソテツといいます。
 じつは上の画像のコゴミは軸が赤く赤コゴミと呼ばれるもので、赤コゴミはクサソテツではなくキヨタキシダというシダ類だそうでです。全体が緑の普通のコゴミに比べ、おいしくて手に入りにくい貴重なコゴミです。

 かがむ(屈む)をこごむというここらの地方のことばから付いたであろう、コゴミは東北地方では一般的ですが、日本の他の地方ではどの程度食べられているのでしょう。ちなみに、東北地方ではコゴミはハウスや露地物として栽培され出荷されています。

 海外では、中国、東南アジア、インド、ロシアそして北アメリカ北東部のネイティブ・アメリカンたちが食べてきたそうです。総じて、シダ植物を食べる民族はそう多くはないようです。

 コゴミの一般的な食べ方としては、ゴマ和えに天ぷらでしょうか。いつもはゴマ和えが好きで食べていますが、今回は洋風にアレンジしてみました。

《コゴミのレモンバター和え》

コゴミのレモンバター和え

 コゴミをさっと茹でたものを、先に用意したバターとニンニクのみじん切りを熱し、レモン汁に塩コショウ少々を加えた鍋で和えます。
 白ワインに合うそうです。
 今回のコゴミはちょっと大きく固めだったので茹でてから和えましたが、小ぶりの柔らかいものでしたら、生のまま使い、蓋をした鍋の中で蒸すだけでいいと思います。
 料理に使ったコゴミは緑のクサソテツのコゴミです。


 さて、2020年初頭からの「コビット19・パンデミック」、さらにここにきて世界を巻き込んでの「戦争」。ハリウッドがつくったものか、まるでシナリオがあるかのような出来事の中で、世界中の市民たちが心配な毎日を生きています。
 この間の新聞やテレビは嘘や隠蔽ばかりではないですか?(もう、新聞やテレビはみていないのではっきりとはわかりませんが、怖がらせることばかりですね。なにか魂胆でもあるのでしょうか)
 その新聞やテレビはどう伝えているか知りませんが、つぎにやってくるのは世界的な「しょくりょうきき」だそうです。(漢字で書くと怖そうなのでかなにしてみました)
 実際、農家の人の話では、田や畑に使う肥料が手に入りにくくなってきているといいます。

 いまでも日本の食料自給率38%(カロリーベース)ですからね。
 腰の不調でやめてしまっていた畑をまた始めることになるかな。
 コゴミや山菜も、山でちゃんと見分けがつくか確かめておかないと。

 さまざまなメディアの情報も、毎日の食べ物も、自身そして家族が生きていくために必要なことは人まかせにせず、すでに用意された便利なものを妄信せず、自分の手で事実を知ろうとし、自分の手で形づくっていくことが必要です。

 2022.4  堀 哲郎

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